ID:kdCcjeS7氏の無題作品
いつも通りの日常…
鳥達の喧騒とセクハラを鎮圧し、小日本と朝食を取る。
街へ買出し、白菜が高かったのが気になるが水炊きには欠かせないので購入。
帰り道に化生と遭遇、なんなく排除。
いつも通りだった。
この時までは………
ふと空を見た。
別段意識はしてなかったのだ。
なんとなく、そうなんとなくだった。
高いビルからの景色が見たくなった。
夕暮れ時である。さぞかし空のグラデーションが綺麗であろうと想像する。
シャメでも撮って小日本に見せたら喜ぶだろうか。
色んな事を思い巡らせ高いマンションの最上階へ登る。
綺麗だった-天頂の朱から東に向かって闇色に色を変えていく。
パシャっと一枚。
よく撮れたと自画自賛。
帰ろうと振り返る。
それは気の緩みだったのかは分からない。
先ほど滅したはずの化生が突っ込んできた。
空中に投げ出される鬼子と化生。
上体を捻り薙刀を力いっぱい化生の頭部に叩きつける。
止めをちゃんと刺さなかった自分に苛立つが、この状況はどうするか。
地面まで数十メートル、本成で耐えれるだろうか。
しかし耐えた後この街はどうなるのだろうか。
半狂乱の鬼が暴れ回る。
この国を愛する者として、この国に疎まれるのはやはり納得いくものではない。
だが地面は目前。
「小日本、すまない」
結局でた言葉は成長を見守れなかった幼い鬼への後悔からくる一片の謝罪だった。
そして…
一瞬の圧を感じ、鬼子の視界が黒くなった。
黒い視界の果て
悪い夢から飛び起きた様な感覚。
一瞬前の出来事が脳裏に過ぎる。
自分は死んだ。
ここは天国だろうか?
鬼の自分が天国…。考えた自分にクスっと笑ってしまう。
死後に天国と地獄、どちらに行くのかは分からなかったが、どうやらそのどちらでもなかった様だ。
天国にしろ地獄にしろこんな殺風景なマンションの一室な訳が無い。
「お?新しい人だな」
いつからいたのか分からない、今突然現れた様に思えた冴えない顔の男が一人。
「始めまして」
自分の様子を上から下から見ながら声をかけてくる。
「…始めまして」
男は別に危害を加えてくる様子は見られないが、緊迫した表情だけはわかった。
「先にきてたのか」
また違う男が現れていた。
今度は間違いなく誰もいなかったはずだ。
黒い玉の前に立つ冴えない男が軽く手を上げて答える。
「新しい人か、俺は加藤。時間があるうちに命に関わる説明をしたいから先ず聞いてくれ」
早い口調でまくし立てる男。
命に関わる?自分はさっき死んだんじゃないのか?
数々の疑問符が過ぎり、加藤と名乗る男の説明が始まる。
-------------------------------鬼子がガンツに呼ばれたようです-------------------------------
続けない!